ソラーロスーツの思い出

今回は私のソラーロスーツの苦い思い出をお話させて頂こうと思います。

私自身、初めてスーツをオーダーをしたのは成人式の時です。大阪・堺筋〇町のとあるオーダースーツ屋で仕立てました。

そこは、特に私が色々調べたとかではなく、私の知人の紹介で知った個人テーラーのようなところだったのですが、今思うと色々変なことが多くて、、、

まず、初めてのオーダーということもあり緊張しながら、(自称)テーラーの待つオフィスへ向かうと、そこで待っていたのは、真っ黒に焼いた肌に半袖半パンの(30歳手前)男。
オーダー屋というとスーツorジャケットを着た紳士的な店員さんが出迎えてくれると想像していた私は、真っ黒なお兄さんが目に入った瞬間サーファーの集うお店だと勘違いしてしまい、「すんません、間違えました。」と一度退出してしまいました。
ですが、住所・部屋番号は間違っていなかったため、恐る恐るもう一度その部屋へ入ると、
「ここオーダースーツ屋やで~」とのご挨拶が。本来であればこの段階でちょっくらヤバいかも、と気づくべきですが、なんせオーダー初心者なもんですから「こーゆースタイルなんや。」と思うだけでした。

まぁここまではまだいいとして、ヤバいのはここからです。
席についてまず行ったのが生地決め。本来生地決めというのは、お客様のご要望をしっかりヒアリングし、話し合いながら決めていきます。
しかし、(自称)テーラーはというと、「直感!直感がすべてやから!!!」の一点張り。(一様事前に成人式用のスーツというのは知人から聞いていたみたいです)
何もわからない私も私で「直感か~なるほどね~」と鵜吞みにしてしまい、『これや!!!』と一番に惹かれた生地を選びました。
それが、ソラーロのグリーンでした。

でも実際この生地はどのような生地なのか知らなかったので、「これはどんな生地なんですか?」と質問すると、、、

「これな、めっちゃ涼しいねん!!!絶対これで作った方がええで!」。

。。。

まず、ソラーロというのは、夏の定番生地とされていますが、スリーシーズン用や秋冬用に多く用いられる<綾織り>のため、平織で織られた夏生地に比べると全然涼しくないんです。
まぁ百歩譲ってソラーロの知識を間違って覚えていたとしても私は知らなかったんで良いとして、じゃすごく涼しいのであれば、時期的に真冬に行われる成人式に着て大丈夫?と思ったわけです。ですので「成人式は冬なんですけど着れますか?」と聞くと、またあのセリフです。
『でも、直感が一番大事やから!直感を信じろ!』
この言葉に乗せられて、結局ソラーロのグリーンで作ることになったのですが、
デザインを決める際も、「直感、直感」と言われながら、結局なんの提案もされないまま直感1つで全て決めました。
(あっ、一つだけネーム刺繍を提案されました。成人式で女の子と仲良くなるために話のネタにと、インスタのアカウント名を入れました。お恥ずかしい。。。)

もうここまで聞いて頂くとわかるように、ここはなかなかヤバいオーダー屋ですので、
もちろんのことサイズ感も最悪でした。採寸方法は、バスト、ウエスト、ヒップ、〆寸(パンツウエスト)をメージャーで測り、あとは全身の写真を撮られ終了です。

そうして出来上がったオーダースーツですが、まだ学生でお金もなかったため両親に成人祝いとして買ってもらったのですが、お値段はなんと吉村での販売価格の3倍以上。
しかも、私は双子で一緒のところで作りましたので、なかなかな金額を出してもらうことになってしまいました。両親には本当に申し訳ないことをしてしまったと非常に後悔しております。(ちなみに双子の片割れは真オレンジの無地で作りました。双子揃って恥ずかしい。。。)

たしか、このスーツを着て実際にヨシムラの面接も行きました。今思うと私もヤバいですね笑 そんな格好で面接にやってきた私を、よく落とさず迎い入れてくれたことに本当に感謝しております。

今はもうこのスーツは着ることはありませんが、1つの記念品として部屋で大切に保管し、
また新たにヨシムラでソラーロのグリーンを仕立てました。あの時直感で選んだとはいえ、
私はソラーロが好きだったみたいです笑 


すごく長くなってしまいましたが、私のソラーロスーツの苦い思い出をお話しさせて頂きました。
こんな経験をしたからか?ソラーロスーツのご注文を頂く際は特に気合が入ります。
現在開催中の『イタリアンフェア』でも対象商品となっておりますので、この機会にソラーロでお仕立てをご検討の方は是非私にお任せください。

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