青森出張~工場見学~

先週の木・金曜日に青森工場へ工場見学に行ってきました。私もYOSHIMURA&SONSに入社して3年目になりましたが、実は実際に工場へ行ったことがありませんでしたので、今回が。もっと言うと青森県自体行ったことがありませんでしたので、初めてづくしの出張でした。

まず、青森県といえば、なんといっても「雪がすごい!」という印象ですよね。私ももちろん雪がすごく降る県というのは知っておりましたが、実際に雪自体をあまり見ることがない私は、果たしてどの程度のものなのかと正直思っておりました。そんなことを思っている中、無事青森空港へ着き、外へ出てみると、、、
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ビックリ仰天!辺り一面真っ白の景色が広がっておりました。(写真を撮った時はたまたま雪は降っておりませんでしたが、数分後からまたずっと降っていました。寒)
実は、私が出張に行った日は、今シーズン初めての大雪日だったみたいで、さらには風も非常に強かったことから、歩く時でもなかなか前がしっかり見えない状況でした。歩いているだけでも視界が奪われる恐怖がありましたので、特に車を運転される方はもっと恐怖心があり、本当に疲れるだろう思いました。(社長、運転本当にお疲れ様でした。)

さて、そんな辺り一面真っ白な景色を見ながら、いざ工場へ。
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記念に工場前でパシャリ。雪の強風のせいで目を開けることが出来ませんでした。笑

初めての工場見学でしたので少し緊張気味ではありましたが、実は工場自体は元々とある学校だったみたいで、それを縫製工場へとリメイクしたので、ところどころ学校の雰囲気が残っており(校長室、職員室、体育館など)どこか懐かしい気持ちになりました。(これで緊張も少し解けました。笑)

そしていざ入ってみると、それはもう驚きの連続。
まず驚いたのは従業員の方の多さ。工場内でコロナ陽性者が増えてしまったことで、かなりお休みされている方が多いと言われていましたが、それでもこの多さには正直ビックリしました。それと同時に、1着を作るためにこれだけの方が動いてくれていると考えると、感慨深いものがありました。

それでは、ここからは実際に工場内を少しご紹介したいと思います。

(画像:自動倉庫)
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まず、私がこの工場で一番驚いたのが、巨大な「自動倉庫」
青森工場は全国のオーダー社、またアパレル社の縫製を行っているため、その分数多くの生地在庫を抱えています。そのため、1日にとてつもない注文が一気に入りますので、一つ一つ注文が入るたびに人が生地を探してカットする、という事をしていると生産効率が格段に下がってしまいます。
ただ、この自動倉庫があることで、システム上で注文が入った生地を入力すれば、自動で生地が運ばれてくるという仕組みになっているので、あとは必要なm数をカットするだけ。つまり生産効率が非常にUPします。

(画像:自動裁断機)
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そして、ここで必要なm数をカットすると、次に自動裁断機にてお客様の体に合わせた型紙をカットしていきます。(裏地もこの自動裁断機でカットされます。)あまりの早さにこれまた驚きました。
(動画:CAMシステム)

*格子柄は柄合わせの関係上、この自動裁断機は使用出来ませんので、これまでは手裁断で行われていました。ただ、今では最新の「CAMシステム」という格子柄専用の自動裁断機を導入されておりますので、以前と比べ生産効率化がさらに上がっております。


一番最初の段階である生地のカットが終わると、次に縫製作業に入ります。

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ここは主に上着とコートが作られているところです。このように様々な機械が入り交じっていますが、全て上着・コート1着を作るために必要なものなんです。
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例えば、見頃を作る人、袖を作る人、袖と身頃を縫い合わせる人、ボタンホールを作る人、ステッチを入れる人などなど、各パーツごとに1人~2人と本当に細かく配置されています。


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ここはパンツと女性用のスカートが主に作られているところです。
ここにもまた、生産効率UPに繋がる画期的な機械がありました。
それは、「ハンガーシステム」と呼ばれる縫製される方の負担軽減のために導入された機械。
(動画:ハンガーシステム)

パンツは、1パーツの縫製が終わると、別の方に渡し別の1パーツを縫製、そしてまた別の人へ渡す。この流れ作業で完成まで持っていくのですが、ハンガーシステムがあることで、席を立たずにパーツの受け渡しが出来きるため、工程内の運搬等の省力化に繋がり、より生産効率を上げることが出来ています。

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そして、最後にここが、出来上がったジャケットやパンツなどをプレス(アイロンがけ)するところです。いわば、最終仕上げの工程ですね。
(画像:肩プレス機)
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(画像:袖プレス機)
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(画像:スラックスプレス機)
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プレスルームにも、様々な機械があり、例えばジャケットの肩専用のプレス機や袖専用のプレス機、またパンツ専用のプレス機など部分部分によって違う機械が使われているんです。(直線的な綺麗なシルエットや丸みのある綺麗なシルエットなど、各部分によっての綺麗なシルエットがあるため)

(写真:シロセット加工部屋)
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あと、この個室のような部屋では、スラックスのシロセット加工が行われていました。
シロセット加工は、ご存じの方も多いと思いますが、パンツのセンターラインを消えにくくする折り目加工ですが、その加工方法というのは、毛髪にパーマをかける原理を利用したものなんです。専用の薬液を噴霧し、蒸気を当てながらプレスを行うことで、形状記憶した折り目を作ることができます。ただ、この薬液というのが本当にパーマ液の匂いで、午後になると個室を通り抜け、廊下までその匂いが充満しておりました。(私はこのパーマ液の匂い、嫌いではありません笑)


さて、簡単ではございましたが、工場内の紹介をさせて頂きました。
その他にも、生地の幅に合わせて型紙を置き、裁断方法を決めるマーキングの入力を、従業員のいない夜間に作業を進めることが出来る「夜間自動マーキングシステム」や、製品それぞれを誰がいつ、どこで製造したかパーツ毎に分かることようにすることで、個々人のミスを削減し、全体の進捗状況を把握することが出来る「進捗管理システム」などなど、驚くような最新システムが色々と導入されていました。また、縫製を入る前、縫製途中にも細かい作業が沢山ありました。

この青森縫製工場の見学を通して感じたことが2つ。

1つは、圧倒的なIT力を誇っているということ。
上記でも少しお話ししましたが、青森工場は全国のオーダー社、またアパレル社の縫製を行っています。そのため、いかに効率よく各工程を進めていくかが非常に大切です。
どうようにしてこれだけ多くの企業から受注を受けて、処理しているのか、正直疑問に思っていましたが、「自動倉庫」「CAMシステム」「ハンガーシステム」「夜間自動マーキングシステム」といった最新システムが導入されていることで、正確かつ効率よく生産出来ているということを今回の工場見学で知ることが出来ました。

もう1つは、従業員の方への感謝を忘れてはいけないということ。
実際に工場来るまで、1着を作るためにこんなにも多くの方が携わっているというのは知りませんでした。また、縫製段階でパーツによっては手作業で行わないといけないことがあったり、ミシンでもかなりゆっくりで慎重に慎重に縫っていかないといけないパーツ(衿、見頃のピックステッチ)があるということなど、行かないと分からないことが本当に多かったです。
もちろん、日頃から感謝の気持ちは持っていましたが、これだけ多くの方が、時間と労力を使い1着1着丁寧に作って下さっているということを知り、より一層感謝の気持ちが芽生えたと共に、1着に対してのありがたみを深く感じることが出来ました。

色々学ぶこと、考えさせられることが多かった貴重な工場見学でした。

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