インスピレーションを求めて

インターネットの普及により、本屋さんからファッション誌が年々減っているように感じます。
私が服飾の専門学生だった約6年前、この頃には既に世の中はインターネットの時代になっていましたので、紙媒体は減少傾向にありましたが、今と比べるとまだいろんなファッション誌がありました。なんだか寂しいですね。

というのも、私は服飾専門学校でスタイリストの勉強をしていたこともあり、色々な雑誌やカタログを探しては買い、コーディネートのインスピレーションを得ていました。それも現代のファッション誌のみならず、00年代初期や90年代などの昔のモノも。ただ、昔の雑誌は普通の本屋さんには置いていませんでしたので、よく地方まで飛んで探しに行ったりしたのを覚えています。(東京店の近くの御茶ノ水もよく行きました)

もちろん、インターネットで調べることもありました。しかし、私の場合なんかそれだと身に入らないといいますか。やはり実際に足を運んで探し、自分のお金で買う。そうしたほうが、より身体にスッと入りインスピレーションが湧くような気がして、、、効率的ではないのは分かっているのですが、そんな私ですから、どんどんファッション誌が減っていくことに寂しさを感じています。

さて
このようにファッション誌がどんどん無くなっていく現状に寂しさを感じていた時、ふとこんなことを思い出しました。
『学生時代、よく美術館にも行っていたなぁ』と。

少し話は変わりますが、
私はコーディネートを組む時、いつも大切にしている2つのことがあります。
それは、「サイズ感」と「色使い」です。当たり前のことですが、私は学生時代からこの2つを強く拘ってきました。

サイズ感は、人それぞれ顔の形や身体の骨格に合った”似合うサイズ感”があります。
色使いで言えば、肌の色によって似合う似合わない色がありますし、また色の組み合わせにも合う合わないがあります。
ですので、これらをしっかり理解することで、より良いコーディネートが組めると考え、この2つはずっと拘ってきました。

で、話を戻ししまして、
ではなぜよく美術館へ行っていたのかというと、上述した「色使い」の中の【色の組み合わせ】についての勉強やインスピレーションを得るためでした。

現代アートから古代アートまで様々な作品を見ることで、私が考えもしなかった色の組み合わせ・配色を知ることができ、それをコーディネートに落とし込む。非常に勉強にもなりますし、私は何より楽しかったです。

実は、今でもこれは続けており、先日は京都にある京セラ美術館で開かれている村上隆さんの個展「村上隆 もののけ 京都」へ行ってきました。
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このユニークながらも洗練された色使いは圧巻であり、「この組み合わせもありなんだ!」と新たな発見もありました。

カジュアル化が進みビジネスファッションも多様化している分、我々販売員は少しでも多くの引き出しを持っておかなければいけません。
そのためは、日々色々なところから情報を得たり、インスピレーションを得る必要があります。
私の場合、そのひとつが「アート」ですので、引き続きこの美術館巡りは続けていきたいと思います。


PS:学生時代を振り返ると、地方へ行ったついでによく建築物も見に行っていました。
特にファッションショーの際には、いつもに比べてアバンギャルドなスタイリングが求められることも多かったので、建築物の形などからもインスピレーションを得ていたのですが、これが案外スタイリングに繋がることもあったんですね。
あの頃の私はどうかしていたのかもしれません、、、笑

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