オーダーのジャケットで苦しいってどゆこと?

お客様:他店でもオーダーしてきたけど、ヨシムラさんで作ったスーツが一番着やすいし楽やわ~
河本 :ありがとうございます!ところで、他店さんで使ったスーツに何かご不満があったんですか?
お客様:いや、オーダーやのにジャケットが合わなくてさ~。

大阪店に就任して早1年が経ちましたが、このようにジャケットが他店では合わないと訴える方、また相談に来られる方が結構いらっしゃいます。
で、詳しく話を聞くと、皆さん口を揃えて「肩が合わない!」を言うのです。
確かにそういった方は、皆さん生まれつきの骨格や筋トレなどで肩回りがしっかりされている方が多いです。
にしても、オーダーなのに合わないってどゆこと?って感じ。

それに比べて、我々ヨシムラで仕立てたスーツ(ジャケット)は、特に疲れるとかもなく、楽にお召いただけているとのこと。
もちろん、肩巾を大きく設定し、楽にしているというわけではありません。
【ジャケットは肩で着る】と言われているように、ジャケットをうまく着こなすためには肩がしっかり合っていることが1つの条件ですから、しっかり合わせています。

ではなぜこういったことが起きるのでしょうか。
これは、別に他店を批判するわけでもなく、また私の自慢話でもありません。(まぁ負けない自信はありますが。)

ちょっと考えてみました。
すると、あくまで私の憶測ですが、1つ考えられることがありました。

それは、『アームホール』です。

私的に、予めジャケットのアームホールを小さく設定されているオーダー屋が多い印象です。

というのも、今やスーツのトレンドというのはほぼ無いに等しい時代ですが、現代のスーツスタイルのベースにあるのは「スッキリとしたシルエット」だと、私は考えます。
”細すぎずややゆとりはあるけど、スッキリ見えるスーツ”これをお求めの方がやはり圧倒的に多いです。

で、アームホールを小さく設定することによって何が変わるかというと、袖周りがスッキリと細くなります。
袖の細さもスッキリとしたシルエットにするためにはとても大切な箇所ですので、予めアームホールを小さく設定しているお店が多いのだと思います。
※よくSNSなんかで、実際の採寸シーンをUPしているお店がありますが、見るとジャケットの他、パンツも予め股上浅め&がっつりテーパードのゲージでフィッティングしているところが多いです。

現に、肩が合わない!という方に、実際にその他店で作られたジャケットを着てもらうと、別に肩はしっかり合っているのです。
ただ、やはりアームホールが小さいがために、脇と脇の後ろが結構タイトで、また二の腕あたりもキツそうでした。
これらの要素が重なることで最も負担がかかるのは肩です。
そのため、皆さん肩が合わない、合っていないと思ってしまっているのです。

そもそも肩巾が合っていないのはもう論外ですが、こうして肩巾は合っているのにどうもキツく感じるという現象は、この『アームホール』が原因であるケースがかなり多いと思います。

では、ヨシムラは?というと、
ジャケットのモデル(型紙)は色々あるのですが、その中でも一番ベーシックなモデルとして、予め全体的にややゆとりを持たせたモデルをご用意しております。
もちろん、お客様のご体型に合わせて最適なモデルを選びお仕立てをするのですが、特に肩が大きい方に対しては、このベーシックなモデルをベースにしてお仕立てすることが多いです。

今回の話でいうと、予めアームホールも標準~少し大きめくらいに設定しております。
ですので、このモデルで肩やアームホールがキツい!という方はほとんどいらっしゃいません。
また、このサイズをベースに、部分的に大きくしたり小さくしたりと調整もできますので、例えば肩をもう少し詰めたり、とかアームホールにゆとりがある分太くなっている袖周りを細くする、などということも可能です。
(アームホール自体を少し小さくすることもできます)

こうして、肩がしっかりしている方には、予めややゆとりのあるジャケットモデルをベースに、後から部分的に細くしたりして体に合わせていく。
これが、私(ヨシムラ)の採寸の仕方であり、苦しさを感じさせずしっかりフィット感のあるジャケットの作り方であります。

もし、当ブログをご覧なられた方で、他店のジャケット(肩)が合わない!とお悩みの方は、是非ヨシムラにご相談ください!

PS:でもゲージ見本を着た時に、キツイとかキツくないとか分かると思うんやけどな~。
多少素材感の問題もあるかもやけど、もしかするとそもそもの採寸技術が×××な可能性も・・・   

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